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青年恋愛Web漫画『黄昏色のBARが語りかけてくる』 淳子から突然電話が入った。僕は彼女とはほとんどしゃべったことがなかったので少し驚いた。 「お話ししたいことがあるんです」と淳子が言った。たぶんFのことだろう。何かあったのだろうか?僕はいつも行く例のバーの場所を彼女に伝えた。 「今から三十分後に」と僕は言った。 僕がバーに行くと、彼女はもうすでに隅のテーブルに座っていた。彼女は僕を見つけるとほんの少し笑顔を浮かべた。顔色はそんなに悪くないようだ。体調ももとに戻りつつあるのだろう。 「やぁ、久しぶり」と僕は言った。 「本当に突然ごめんなさい」 僕たちは少しの間、久しぶりに会った人間どうしがするお決まりの会話を交わした。そして、そのあと僕は本題に入った。 「奴のことだろう、話って」 「ええ」 「何かあったの?」 彼女は順を追って彼らのこれまでの経緯を話し始めた。 「あのとき」と彼女は言った。「私は彼に一ヵ月間の冷却期間を言い渡されて、もう本当にがっくりときちゃったんです。それまで四年間かかって築き上げてきたものが、何だか音を立てて崩れていくような・・・・・・。それで、彼から聞いているかも知れないですけれど、私、拒食症にかかちゃって」 「ああ、聞いてる」 「そんなとき、父の薦めで見合いをして、そのまま、何が何だかわからないような感じで婚約してしまったんです。何でもいいから、すがれるものがあれば、すがりつきたい心境だったんです」 「・・・・・・」 「でも、今では私もその人を愛し始めているんです。少しずつですけれど、それは確かなんです。問題は 」 そこで僕は初めて、Fが彼女の家の前に毎朝やって来ること、そのことで彼女と彼女の両親が悩んでいることを知った。 「最近の彼を見ていると、もう本当に自分のことしか頭になくて、かなり精神状態がおかしいのがわかるんです。はっきり言って恐いんです。彼って、思いつめるタイプだから」そう言って彼女はジン・トニックをひと口飲んだ。 「それで」と彼女は言った。「最近の彼に何か異常はありませんでしたか?」 「俺も仕事が忙しくてしばらく奴とは会ってなかったんだけど、昨日久しぶりに会って、そのときは特に異常は感じなかったよ」 「そう」と言って彼女は少し考え込んだ。 「もしも彼に何か変わったことがあったら、私に連絡してもらえませんか」 「わかった。約束する」 「それから、私がこの話をしたことは彼に言ってくれてもいいし、言わない方がいいというのなら、言わないでいてくれてもかまいません」 僕はビールを少しだけ飲んでから、「ところで」と言った。 「俺は君たちの間の細かい部分に関しては知らないからよくわからないんだけど、君は本当にそれでいいんだね?」 「ええ」と言って彼女は遠くの方を見つめるような目をした。「もうあとには戻れないわ」 彼女がそう言うのなら仕方がないのだろう。しかし、このことをFに伝えるべきかどうか・・・・・・。 彼女と別れてからの帰り道、僕はふとFの銃のことを思い出した。そして、「まさか・・・・・・」とつぶやいた。 ※このWeb漫画をご覧いただくためにはJavaScriptをオンにする必要があります。