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青年恋愛Web漫画『黄昏色のBARが語りかけてくる』 仕事は退屈だ。事務所では所長以下六名がデザイン作業に従事しているが、ろくな人間はいない。もったいぶったしゃべり方、人を食った態度、惰性で流す仕事のやり方、そんなすべてが僕には気に入らない。仕事中楽しいのは、まさに仕事をしているときだけだ。それ以外は退屈極まりない。 「お前まだそれやってるのか」 気がつくと僕の机の横に所長が立っていた。 「そんなものさっさと片づけてしまえよ」と所長が言った。 「はぁ・・・・・・」僕は歩いていく所長の背中を睨みつけた。 よくデザイナーは感性だとかずいぶん大げさなことを言う奴がいるけれど、あんなのは嘘だ。それよりもむしろ経験が物を言う世界なのだ。僕は今までたくさんのデザイナーを見てきたけれど、そのほとんどは経験年数だけを売り物に生きて来たような連中だった。そして彼らの多くは、日々惰性で仕事を右から左へ流しながら生き永らえている。才能で生きている人間なんて、ごくひと握りでしかない。 「お電話よ」僕のうしろの眼鏡をかけた女が言った。僕は受話器を取った。礼子からだった。彼女とは二ヵ月前に別れた。彼女はある出版社で広報の仕事をしている。 「今度うちの会社から新しい漫画雑誌を出す予定なんですけれど・・・・・・」僕へのあてつけのためか、奴はひどく事務的で冷たいしゃべり方をする。「それで、あなたにも作品をお願いしたいということなんです」 「なるほど」僕は仕事の片わら、ときどき小さな漫画雑誌に短編漫画を発表したりしながら生活費の足しにしている。もっとも漫画家としては、まだほとんど無名のようなものだが・・・・・・。 ※このWeb漫画をご覧いただくためにはJavaScriptをオンにする必要があります。