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青年恋愛Web漫画『黄昏色のBARが語りかけてくる』 僕が髭を剃り終えて髪をといているとき、Fはもうすでに車のエンジンをかけていた。僕はその日の新聞を片手に急いで部屋を飛び出した。黄昏時の涼しい風が僕の頬を通り過ぎた。僕が助手席に座るとすぐにFは車を発車させた。 Fは車を運転しているときは煙草を吸わない。Fは車に乗ると必ずシートベルトを締め、高速道路に入っても100キロ以上スピードを出すことはまずない。だから僕は疲れているときなど、たまに助手席で安眠してしまうことがある。 Fは本当はミニクーパーに乗りたかったらしい。 「たとえば」とFは言う。「駐車場にベンツが一台、そして一台分スペースをあけてBMWが停っていたとする。その時ミニクーパーなら堂々とその間に何の違和感もなく停めることができる。オシャレなんだな」 Fがミニクーパーにしなかったのは淳子に反対されたからだ。Fはかなり無理をして、現在の少し大きめの車を購入した。 淳子とFは学生時代に知り合って、それ以来四年間の時を共にするが、この五月、Fが彼女に一ヵ月間の冷却期間を提案したことで、ふたりの関係は現在途切れている。淳子は現在二十二歳、幼稚園で先生をしている。僕は彼女のことをあまり詳しくは知らないが、彼女に関しては男を一途に愛する平凡な女というイメージがある。しかしその反面、Fの話によると派手好みな一面もあるらしい。以前Fは彼女に毛皮のコートをプレゼントし、車のローンと一緒にその毛皮のローンをいまだに払い続けている。 淳子とFが冷却期間を置かなくてはならなくなった理由についてはまた後で話すことにする。今から思えば彼らの悲しいストーリーはもうすでにこのとき始まっていたのだが。 ※このWeb漫画をご覧いただくためにはJavaScriptをオンにする必要があります。